フェライト磁石とは
フェライト磁石とは、フェライト磁性体¹による磁石である。特に強磁性のハード・フェライトが、一般にいう磁石の性質を持つ。
軟磁性²のソフト・フェライトは(軟磁性であるため)フェライトコア³などに使われる。
酸化鉄を主原料にしてバリウム⁴やストロンチウム⁵などを微量加えて焼き固めて作る化合物。
焼き固めた後に1μmほどの粒子に粉砕したものを成型し焼結⁶する窯業製品⁷である。
ハード・フェライトでは焼結後に電磁石によって着磁⁸することで永久磁石とする。比較的強い磁性を持ちながら安価なため、様々な用途に用いられる。
近年は特性を向上させるために、ランタン⁹やコバルト10を加える物も製造されている。
¹フェライト磁性体:酸化鉄を主成分とするセラミック。ほとんどが磁性を示す。結晶構造によってスピネルフェライト、六方晶フェライト、ガーネットフェライト等に分類。
²軟磁性:磁性体の中でも比較的簡単に磁極が消えたり反転したりするもの。
³フェライトコア:フェライト製の磁性体で、ソレノイドのコアにする棒状のものや、ドーナツ状の円環(トロイダルコア)など多種多様のものがある。
⁴バリウム:元素番号56の元素で、銀白色の軟らかい金属で、レントゲンの造影剤として使われます。
⁵ストロンチウム:元素番号38の元素で、銀白色の金属で、花火や、発煙筒の発色剤として使われます。
⁶焼結:固体粉末を融点よりも低い温度で加熱すると、粉末が固まって焼結体と呼ばれる緻密な物質になる現象。出来た物は焼結品などと言われる。
⁷窯業製品:粘土、ケイ砂、石灰岩などの非金属原料を高熱処理した、陶磁器、瓦、ガラス、セメントなどのセラミックスのこと。
⁸着磁:磁気を帯びていない磁石に磁気をつけること。
⁹ランタン:元素番号57の元素で、銀白色の金属。合金の添加物などに使われる。
10コバルト:元素番号27の元素で、銀白色の金属。合金の添加物などに使われる。
